二日目の最初の目的地は「宋城」。北宋の時代の首都であった杭州を再現したというテーマパークです。
フリータイムにて自力移動、ホテルからバスを二本乗り継いで行きます。
一般的な観光スポットとしてはイマイチだと思いますが(入場料が60元もして高いし、
かなり郊外だし)下のような写真を撮りたがる私のようなニンゲンには、たまんない場所でありました。(笑)
到着するなり 閲兵式に遭遇。 考証はアテにならないっぽいですが、間近で見られるのはポイント高し! |
場内は歩いて回れますが、乗り物も馬あり、カゴあり、牛車あり、駱駝ありと面白いです。
古代衣装を着て写真を撮らないかという客引きがやたら多くて、上のよーな兵隊さんの格好を
させてもらって馬に乗ったりしよーかなとちょっと思ったりもしたのだけど、
(着ると構造がよく理解できるし!)そんなことをするのは自殺行為なぐらいの気温だったので、諦めました。(笑)
暑さでグロッキー気味な牛さんと駱駝さんたち。 |
こちらはカゴ。 ニンゲンが担ぎます。(当たり前か) おつかれさまです。 これって結婚式のカゴかな? お祭りとか、時代劇とかで、新娘(はなよめ。「娘」という字は「おかあさん」の意) が乗っているのをよく見るように思いますが。 ちなみに乗っている人は私ではなく、通りがかりの観光客です。 |
竹細工を売っているおじさんは古代衣装ですが、 右にいる売店の子供はフツーの服でした。 古代衣装の子供見てぇ! |
加治屋さん。 | あ! こんな張り紙が! そう、北宋と言えば「水滸伝」。青面獣楊志が剣を売るシーンの寸劇にも出くわしました。ちゃんと写真に撮れてなくて、 お見せできないのが残念です。 |
歴代皇帝の像が並んでいるという展示室に入ってみました。
なかなかのショボ具合ですが、それでも中国の観光地にしては丁寧に作ってある方ではないでしょうか?
嬉しがって写真に撮りまくっていたら、他の観光客やら店番やらに奇異の目で見られました。(笑)
始皇帝。 | 黄色が劉備で赤が曹操。むこうは確か、劉秀だったかと。 | 唯一の女性、武則天。 | 溥儀! |
右の写真は休憩に入ったお店で買った、「可口可楽」と「酷児」。 可口可楽は有名ですよね。 「酷児」は私も今回初めて見ました。読みは「くーある」という感じで、 「酷」の字は「cool」の音訳によく使われます。 なかなか上手な翻訳かと。 午前中で宋城を出ました。お次は浙江省博物館へ。 以下写真ありませんので、文字の嵐が苦にならない方のみお読み下さい。 |
暑くてまいっていたところ、タクシーの客引きに引っかかり、博物館まで10元で連れて行ってもらうことになりました。
……が、回されてきた車は、どう見ても自家用車。つまり「白タク」です。
ちょっとヤベーかなーと思いつつも、おじさんと話をしてみると、気さくないいい人で、
宋城は夜に行った方が面白いんだとか、杭州の緑化率は中国一で、緑のおかげで周辺都市よりも
夏が過ごしやすいんだとか、治安は悪くないから安心して出歩けるとか、いろいろ情報をくれました。
善良な市民が休日のアルバイトに無許可タクシーを走らせてしまう。それが中国というところ。(笑)
……が!
おじさんが連れていってくれたところは、博物館は博物館でも、絲調(シルク)博物館。
私の発音が悪かったのか(いや、自信ないし)、おじさんが早合点だったのか。
……どうりで距離のわりに安いわけだよ。
まあでも、また交渉するのも面倒だし、丁度バス停も近くにあるしで、ここを見て
からバス移動してもいいかな、と思っておじさんの車を降りました。
絲調博物館に近づくと、警備員だかなんだかのおじさんたちがわらわらーっと出てきて、
参観証みたいなのを首にかけてくれます。免費(無料)であるようです。
博物館を参観するのかシルクを買うのか、と聞くので、博物館を参観するのだ、
と答えたら、またわらわらーっと去っていきました。
多分買い物をすると答えたら、ずーーーーーっとついてきて、商品を紹介したり
セールスしたりするつもりだったのでしょう。
博物館の中は真っ暗。開いてないんじゃないか、と疑いつつも入ると、
足を踏み入れたところだけスポットで明るくなります。
夏の中国は極端なほどの電力不足に見舞われるため、節電の工夫であるらしいです。
センサーを常時つけてなきゃならないなら一緒なのでは、という疑問が頭をよぎったりもしつつ。
本物の古代衣装などもあり、展示はなかなか立派でした。
これを見ずに買い物だけして帰るのはもったいないですね。
時間が限られてるし、お土産屋には今後たんまり連れていかれるだろうから、
物販はスルーしてバス停へ向かいます。
バスを待っている人を捕まえてはしつこく質問して、浙江省博物館へゆく路線を
教えてもらいました。
あぶなっかしい中国語でも、我慢強く対応してくれる人ばかりで助かりました。杭州の人は外国人観光客
慣れしているのかもしれませんね。
博物館は西湖のほとりにあるのですが、教えてもらったバスはがんがん山を登っていきます。
もしかして間違ったかな? でも教えてくれた親子連れも一緒に乗ってるぞ? と
少々焦り気味に地図とにらめっこ。
そうしている間にも、路面は悪くなり、道は曲がりくねり、幅もほとんど
1車線状態になって、窓の外、すぐ近くを緑がかすめていきます。
そこで対向車と出くわすもんだから、手に汗握るスリリングさです。
山の上には茶畑が多くて、こうなりゃ車窓観光よ!と、開き直って状況を楽しんでいた
わけなんですが。
夫婦の言葉は(あるいは私の聞き取りは)間違っておらず、
バスはちゃんと田舎を抜け、山を降りて、西湖へ無事到着しました。
浙江省博物館は西湖の堤防の上にありますが、バスは堤防を走れないので、歩いて行きます。
浙江省博物館もまた免費、そしてやっぱり節電のため、クーラーがついておりません。
地獄の暑さでしたが、展示はヴォリュームもあって、すばらしいものでした。
地方の特色をまず前面に押し出そうという意図があるようで、ここ数年注目を浴びている
長江系の古代文化関係の遺跡、良渚だとか河姆渡だとかの出土品から始まって、(かつて中国文明は黄河のほとりから発生し、だんだんと南下
していったのだと考えられていたのですが、近年これらの遺跡の発見によって、長江流域には黄河文明圏とは別に、
独自に発展した文化があったという考え方が定説になりつつあるらしいです)
古代呉、越文化、三国
呉の瓦器、南京に首都を置いた明朱元璋の息子と妻の墓からの出土品(文字通りの
金銀財宝!)などなど、土地にゆかりのある展示品が目白押しです。
2時間かけて、閉館ぎりぎりまで粘って全部見ました。
博物館の閉館は4時、ホテルに戻るにはまだもったいない時間です。
なので次は、ガイドブックで見つけた夜の骨董市に行こうかと思うのですが、その場所は
くそでかい西湖の反対側の岸に近く、もう歩きつかれて足が痛くなっています。
そこで「杭州環湖観光遊覧車」というのに乗ってみることにしました。
天井だけがあって、サイドが吹きさらしな電気自動車(たぶん)で、
20〜30キロぐらいのゆっくりした速度で、観光案内をしながら西湖の周りを走ってくれます。
乗車賃一人20元と、タクシーの初乗り(10元)より高かったりもするのですが、
西湖をうろちょろ出来る乗り物は、これと遊覧船とレンタサイクルしかないのです。
若いおねーさんの運転するその車は、のんびりゆったりかと思いきや、またまた
激しくアミューズメント。(笑)
この車の専用道が設けてあるんですが、それがもう、軽でないと通れないんじゃないかというほど
細い道で。
専用道だから当然歩行者も立ち入り禁止ですが、そんなことを中国人が
守るはずもなく、人どころか自転車までがんがん走っています。同じ車が対向ではちあわせたりもするのです。
これをよけつつ、クラクションならしつつ、かつ観光案内もして客も拾う、おねーさんは
すごい技術の持ち主なのでした。
降りたところにカフェがあり、入ってみることにします。
中国でマトモなコーヒーにありついた記憶はなかったので、あんまり期待してなかったのですが、
ここの意太利(イタリア)
コーヒー、びっくりするほど旨かったです。(なぜイタリアなのかはナゾだけど)
中国も進化したんだなぁ……と感慨を深くしつつも、ウェイターさんをつかまえ、
ガイドブックを見せて骨董市への行き方を訪ねました。
地図を見ながら首をひねっていたウェイターさんが、おっさんを連れてきます。
この店の老板(店長)でした。
老板の説明によると、その骨董市は最近まであったのだけれども、住宅地の
区画整理が行われてしまい、今はなくなってしまったのだそうな。
他に骨董の有名な通りと、骨董は少ないが美術品が多い夜市をやっている通りがあるぞ、というので、それを教えてもらいます。
骨董の通りはもうお店が閉まる時間なので、ごく近くにある
夜市の方へ行ってみることにしました。
夜市の開催にはまだしばらく時間があります。西湖に落ちる夕日を眺めながら、しばらくその店で時間をつぶすことに。
私達が座った席は西湖が見下ろせる場所にあって、おじさんがひとり、釣りをしていました。
その釣竿が引いて、どうやら鯉か何かが釣れたみたいです。
おじさんは大声で誰かを呼び、奥さんでしょうか、女の人がどこかの建物から出てきました。
彼女は釣れた魚のエラのあたりに指をかけ、そのまま持って帰ります。今夜の晩飯にでもするつもりのようです。
緑色に濁った西湖の水を見ていると、ちょっと食用にはどうかなと思うわけですが。
おじさんが警察の姿にびくついていたところを見ても、魚釣りは禁止なんじゃないのかなぁ?
夜市は盛況でしたが、こちらが日本人なことに気付いて、カタコトの日本語で交渉しよう
とする商売人だらけで、ちょっと閉口しました。(そういう中国人が現れると、
思わず警戒してしまう私です。だって思いっくそボられそうなんだもの)
それでもチベット系のアクセサリーを買いましたよ。骨で出来たもので、なかなか
ポップで斬新なデザインなのです。チベットアクセサリーは人気らしく、若者がいっぱい
群がっていて、商品を選ぶのに苦労しました。
とりあえずそれだけの収穫で満足して、ホテルへ。明日は朝から蘇州へ移動です。
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